製品が工場から出荷されるまでの検査

製品が工場から出荷されるまでの品質に関わる検査のタイミングを示しています。漢方エキス製剤の原料は生薬(主に薬用植物の根、葉等の薬用部位を水洗、加熱等の加工を施したもの)です。漢方エキス製剤の品質、安全性には、原料である生薬の品質(安全性)が大きく影響を及ぼします。そこで、弊社では、原料生薬の品質(安全性)確保のために、生薬産地の特定、加工場との連携を図るとともに、測定装置を用いた試験検査体制を構築しています。

残留農薬


すべての生薬を対象に試験を行っています。日本薬局方と日漢協自主基準に加えて、食品のポジティブリスト制度に対応した残留農薬を検査するため、GC/MS装置※1とUPLC/MS/MS装置※2を導入しています。農薬の種類に応じて2種類の装置を使い分けることで、約600種類の幅広い農薬の種類を調べることができます。

重金属


日本薬局方に準じた試験と弊社独自の取り組みも行っています。ヒ素、鉛などの個別の重金属については、2種類の装置(エネルギー分散型蛍光X線分析装置※3と原子吸光光度計)で原料生薬と製品を分析しています。この装置を使用することで、重金属を幅広く正確に管理しています。

微生物


生薬や漢方エキスは、微生物にとって栄養源となり、条件が揃えば繁殖の可能性があります。そこで、すべてのエキスと製品について微生物の検査を実施し、汚染がないことを確認しています。また、定期的に製造現場の環境検査を行い、結果をすぐに製造現場にフィードバックして、常に衛生的な製造環境を維持しています。

アフラトキシン


カビ毒のなかでも、最も毒性が強いアフラトキシンの管理に取り組んでいます。カビ毒の分析には、残留農薬の分析でも使用しているUPLC/MS/MS装置を使用しています。

※1:GC/MS装置
BHC類とDDT類などの有機塩素系の殺虫剤に加えて揮発性の高い約440種類の農薬についてスクリーニング分析を行うことができます。
※2:UPLC/MS/MS装置
有機リン系の農薬など水溶性の高い農薬を対象に約170種類の農薬などを分析しています。
※3:エネルギー分散型蛍光X線装置
固体、液体、粉末を問わず、試料の中に含まれる金属の種類とその量を非破壊で幅広くスクリーニング分析できる装置です。

弊社における原料生薬の放射性物質に対する対応