「いぼ」ってなんだろう?
「いぼ」とは、一般に皮膚にできるドーム状の小さな盛り上がりを指す言葉です。
「いぼ」は、ウイルス感染による「いぼ」とウイルス感染ではない「いぼ」の2つに大きく分けられます。
同じ「いぼ」だと思っているものでも、皮膚科の先生の診断では、さまざまな異なる皮膚病(多くは皮膚の良性腫瘍)が含まれている場合があります。
ウイルス感染による「いぼ」
ウイルス感染ではない「いぼ」
中高年の皮膚にできる「いぼ」
足の皮膚が反復する外的刺激を受けることでできる「いぼ」
このように「いぼ」と言っても、さまざまな種類があります。
ほとんどは見た目で区別ができるのですが、中には、簡単に見分けがつかないものや悪性のものが含まれるため、安易に自己判断をしてはいけません。
「いぼ」の多くは、ウイルスが感染してできるといわれています。
ここからは、ウイルス感染による「ウイルス性いぼ」(専門用語:ウイルス性疣贅)について紹介します。
- いぼは感染するのですか?
- ウイルス性いぼは感染します。ただし、触っただけでは感染しません。
皮膚・粘膜の小さなキズにウイルスが入り込むことで感染します。 - 感染しないための対策はあるのでしょうか?
- 小さなキズができやすい手足、ひじやひざなどのスキンケア、そして免疫力を保つために栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠を心がけることが大事だと言われています。
また、もし家族内にウイルス性いぼの治療をしている方がいれば、タオルやマットの共用は避けることをおすすめします。 - ウイルス性いぼができる部位は決まっているのですか?
- ウイルス性いぼができる部位は決まっているわけではありません。小さなキズができることが多い手足や外陰部にできやすいと考えられています。
- ウイルス性いぼができると痛いのでしょうか?
- ごく一部、痛みを伴うものがありますが、多くのものが痛みを伴いません。そのため、放置してしまい、感染を広げたり、重症化させてしまうことがあるようです。
- ウイルス性いぼはどこでうつるのでしょうか?
- すべてのウイルスがどこでうつるのかは現代医学においても明らかにされていません。外界からウイルス感染することもありますし、免疫力が下がったときなどに既に潜伏感染していたHPVが原因となっていぼが出現することもあります。
HPVがうつる意外な場所としては、公共の入浴施設の足ふきマットなどがあります。 - ウイルス性いぼの治療経過で消失が近くなるとウイルス性いぼの周囲が
赤くなることがあるというのは本当ですか? - その通りです。赤くなって同時にかゆみが出ることがありますが、かかないように注意しましょう。
- 最近よく耳にする子宮頸がんを予防するHPVワクチンのHPVは、「いぼ」のウイルスと同じでしょうか?
- 同じヒューマンパピローマウイルスですが、タイプ(型)が異なります。HPVワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプ(型)のウイルスの感染を防ぐことを目的としています。
[監修医師]
さいたま赤十字病院 皮膚科部長 三石剛
(日本皮膚科学会 尋常性疣贅診療ガイドライン策定委員会委員)